~作業効率向上、人員管理最適化で、物流2024年問題、労働人口不足解決に対応~
Nexa Wareは2024年8月22日から、物流倉庫内データを活用し、物流2024年問題、労働人口不足解決に貢献する物流倉庫向けデータ分析サービス「Nexa Warehouse-Optimizer」(以下、 本サービス)を提供開始します。なお、KDDI株式会社(以下KDDI)は2024年8月1日からKDDI物流センターで本サービスを先行導入しています。
本サービスは、倉庫内データの分析・活用を通した作業工程全体最適化に加え、人・作業量・時間を考慮した作業員シフトを自動作成しWebダッシュボードで可視化・提案することで、デジタル化による倉庫内業務の効率化を実現します。2023年度に実施したKDDI物流センターでの本サービスの実証実験では1.4倍の作業効率化に成功(注1)しました。
KDDIは2024年5月から、お客さまの事業成長・社会課題解決へ貢献するため、AI時代の新たなビジネスプラットフォーム「WAKONX (ワコンクロス)」を始動しました。 WAKONX Logisticsにおいては物流業界の社会課題解決を目指しており、KDDI物流センターでのNexa Wareの倉庫自動化・遠隔監視・制御までのソリューションに加え、本サービスをアセットとして追加することで物流のデジタル化に向けた取り組みを支援していきます。また、ロボット活用による作業効率化に加え、データ分析による最適化まで一気通貫で実現する倉庫DX推進と共に、庫内業務のみならずフィジカルインターネットの活用による配送の効率化にも関わり、サプライチェーン全体での最適化に貢献します。
■背景
・物流の2024年問題の課題の一つにトラックドライバーの荷待ち時間が挙げられます。1運行あたり平均1時間34分(注2)の荷待ち時間が発生していると言われています。荷待ち時間が発生する原因として、荷主企業の物流倉庫業務の遅延や、出荷準備完了時刻が正確に算出できずトラックドライバーに対する到着希望時刻の通知が曖昧なことが挙げられます。
・また、2030年には国内で644万人の労働力が不足すると推定されており(注3)、ドライバーや物流倉庫作業員など物流関連労働者を取り巻く環境はますます厳しくなっていきます。
・本サービスを商用導入したKDDI物流センターはスマートフォンを含む移動機とその周辺商材のBtoB・BtoC物流業務を行う大型物流拠点です。令和6年能登半島地震の際には被災地支援用Starlinkの出荷を迅速に対応しました。KDDI物流の要として従来から物流改革を推進し、物流業務を通じた社会貢献に注力しており、本サービスを活用した一層の業務効率化に取り組んでいます。
■本サービスについて
1.データ集約・加工
・KDDIグループの株式会社フライウィール(以下 フライウィール)が提供するデータ活用プラットフォーム「Conata®(コナタ)」により、倉庫内に設置されたマテハン(注4)やロボット、WMS/WES/WCS(注5)などの関連システムのデータを集約・分析し、物流倉庫現場をデジタル上に再現します。
2.KPI可視化・ボトルネック分析
・顧客ごとの物流作業フローに合わせたカスタマイズを通して、作業フロー・進捗を可視化し、DX推進を支援します。
・ベンダーフリーのエンジニアリング力をもとに、各種マテハン、ロボット、システムの統合分析を実施し、倉庫全体でのボトルネック分析を通じた、オペレーションおよび、導入・稼働システムの最適化を実現します。
3.シフトシミュレーション・作業完了予測
・倉庫における作業内容・予測出荷量・現場状況に応じて、作業員のシフトを自動作成します。また、事前の作業員確保に必要なシミュレーションの他、物流倉庫全体における人員配置を最適化し、倉庫オペレーションの効率化に貢献します。 ・可視化された倉庫内工程に対し、当日の作業進捗に応じた完了時刻を予測します。なお、荷物引き渡し時間に対する遅延が予想される場合は、アラート発出の上、以降の作業におけるシフト修正も可能です。これにより、作業遅延を予防し、スムーズな集荷・荷役作業を実現、トラックドライバーの荷待ち時間削減に貢献します。
(参考)
■WAKONXについて
WAKONXは、KDDI VISION 2030「『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」の実現に向け、日本のデジタル化をスピードアップするというコンセプトから生まれたブランドであり、機能群を有するAI時代のビジネスプラットフォームです。
業界で共通する課題は業界の「協調領域」として課題を解決する共通のフレームを作り、サービス化してご提供することでお客さまの投資を削減し、お客さまは自らの付加価値を高めるためのサービス創出や強化など、業界の「競争領域」への注力していただくことで、日本のDXを加速させることを目指します。
WAKONXを通じて、最適化したネットワークの設計・構築から、大規模計算基盤による企業間データの蓄積・融合・分析を行います。また、AIが組み込まれたサービスやソリューションを各業界に最適化して提供することで、法人のお客さまの事業成長と社会課題の解決を支援していきます。
(注1)2023年4月~9月の期間にて実施した、スマートフォン個人向け出荷に対する倉庫業務を最適化する実証実験で、従来比約1.4倍の出荷量を実現。
(注2)令和3年 国土交通省発表「トラック輸送状況の実態調査結果」より。
(注3)パーソル総合研究所・中央大学「労働市場の未来推計2030」
(https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/spe/roudou2030/)
(注4)「マテリアルハンドリング」の略称。作業の効率化や省人化を目的とした機械、設備全般を示す用語。
(注5)DWH(Data Ware House):データウェアハウス(複数のシステムからデータを蓄積)、WMS(Warehouse Management System):倉庫管理システム(倉庫内の商品を管理)、WES(Warehouse Execution System):倉庫運用管理システム(倉庫内作業および設備の総合制御)、WCS(Warehouse Control System):倉庫制御システム(倉庫内設備の制御)
(注6)椿本チエインとKDDI、物流倉庫DXを実現する合弁会社「Nexa Ware」設立
(https://www.tsubakimoto.jp/company/news/press/2024/01/16/1/)